夜のしめやかな願い
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さゆりがバイオリンを習うきっかけになったのは、やはり内藤3兄弟だった。
宗臣はピアノ。
宗雅はバイオリン。
宗忠はフルートを習っていた。
さゆりがバイオリンを選んだのは不純だ。
本当は宗忠と同じフルートにしようと思っていた。
だから幼稚園で砂場遊びをしている時、たーちゃんと一緒に習うと言ったのだ。
それに対して宗忠が、“さゆさゆはバイオリンが似合うと思うよ、おっきくなったらデュエットしようね”とキラキ
ラ笑顔で言ったからバイオリンになった。
そういいながら、その後、あっさりとフルートをやめている。
末っ子らしく、天真爛漫に周りを振り回すのは昔からだ。