夜のしめやかな願い

「そうか?」

その手がそのまま胸へと滑って、頬にくちびるが寄る。

ええーと。

お風呂入ったし、問題ないよな、よし、問題ない。

さゆりは目を閉じる。

「で、就職は決まったのか?」

頬に寄ったくちびるは意地悪そうに耳元でささやいた。

さゆりはぱっちりと目を開けて、間近な宗臣の瞳をみつめた。

意地悪そうに笑っている。

「きっ、決まってる・・一応」
「一応?」

秀麗な眉が潜む。

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