夜のしめやかな願い

凄い力で引かれたと思ったら、畳の上に組み敷かれ、宗臣を見上げていた。

「オミ?」

さゆりは宗臣の表情が妖しくて綺麗だと思った。

少し伏せられて陰影のついた瞳とか、少し笑みの浮かんだ口端とか。

口づけを受けとめて、やっと自分の置かれた状況に気がついた。

シュッという絹特有の衣擦れの音。

何が起きるのかわかって、さゆりは慄いた。

なぜ宗臣が子豚に手を出すんだ。

3歩歩けば美女をひっかけられる癖に。

あれよあれよという間に、着物をむかれ、宗臣から与えられる気持ち良さに流されて、痛みを与えられた。

くちびるを噛みしめて、宗臣にしがみつく。

やっと体が離れたときは、ため息とともに全身の力が抜ける。

えっと・・・?

畳の上だったこともあるのか、全身がひどく痛む。
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