夜のしめやかな願い
「つわり?」
さゆりが軽く問うと、じろりと見られる。
「僕は男だよ」
「でも、遊び相手よりずっと宗忠の方が綺麗」
「あり・・がとう?」
さゆりはうふふと笑った。
「なんだか受かる気がしない」
珍しく弱気な声だ。
医師免許試験が間近に迫っていた。
「大丈夫」
さゆりが力強く言うと、じいっと見つめられる。
「うん、さゆさゆに言われたらそんな気がする」
「でしょ」
宗忠は笑った。
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