夜のしめやかな願い
「どう?
仕事、順調?」
「まあまあかな。
悪ガキ系イケメン先生が何かと絡んできて、他の先生にやっかまれる時もあるけど。
たーくんが、発表会に来てくれたでしょう?
私の本命はそっちだってわかってくれたから」
「そっか」
宗忠は微笑した。
「よかった。
いじめられたら、言うんだよ」
父親か。
とは、内心でつぶやく。
「たーくんもね」
いつもながら、あっさりと告白をスルーされたのに、そう言いかえした。
「オミは・・。
元気かな」
思いがけず、口から言葉が滑り落ちた。