約束のあの海で。
「俺、暇してるから。響紀ちゃん面白いし、もっと話したい。」


“もっと話したい”

それだけ言われただけなのに、なぜだか心が温かくなる。


「…また、来てもいいの?」



「うん。来てほしいな」


じわりと、目が潤んできて泣きそうになる。


「ありがとう…」


こんなふうに誰かと話すことなんてもう、できないと思っていたから。



「どういたしまして?…って、なんで泣きそうになってるの!?俺なんか言っちゃった!?」



「なんでだろうね…でもね、悲しい涙じゃないんだ」


私は静かに微笑む。


偽りのない笑顔で


そのとき亮くんの顔が赤くなったように見えたのは、きっと空が暗いせいだ。
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