あなたは呪いの本を信じますか?〜呪いの連鎖劇〜
終わり

いつも通りの朝。私はベッドから体を起こして、まず本を鞄から出した。ページを開いて文字の色を確認する。
「嘘!?ホ、、ホントに」
本には、色がはっきり変わっている文字があった。信じられない。本当に?色々な考えが浮かび、その場でフリーズしてしまった。そのまま朝ごはんを食べると私は走って学校に向かった。
学校に着き、下駄箱を確認する。明日菜の靴はない。するとそこへ早苗が登校してきた。今日は幸太がいないみたい。
「おはよー!幸太は?」
「あー、今日熱みたい」
「残念」
「それで話題変わるけど明日菜どうなった?」
「見て」
そう言うと、私は鞄から本を出して、ページをめぐる。
「嘘?これマジ?」
驚く早苗。
「もちろん本当。私もは朝起きてビビった。」
「じゃ、じゃあ明日菜は死んだってこと?」
「そういうこと」
「ヤバくない?」
「そんな事ないよ、バレないし」
「由衣は何でそんなに楽しそうなの?」
「そりゃ、復讐したかった相手が死んだんだよ!嬉しすぎるでしょ!」
「由衣、、、」
「何?」
「別になにもないよ」
「そうなら良いや」
そう言って、教室に向かう。早苗がなにか言いたげだったがあえて気づかない振りをした。教室はいつも通りだった。私は席に着き、予鈴を待つ。だが、待つ必要はなかった。予鈴よりも先に担任が走ってきたからだ。
「皆座って!」
「どうしたんですか?」
「松村さんが、、松村明日菜さんが昨日病院で亡くなりました。原因は、精神障害だそうです。」
教室内がざわめく。
「静かに!お葬式はクラス全員が出席すること。以上」
そう言って先生は、教室を走って出ていった。
「由衣、明日菜死んじゃったね」
「早苗、何?悲しいとかないよね?」
「も、もちろんだよ!私も嬉しいよ!」
「そう、なら良いけど」
少しだけ動揺した早苗。明日菜が死んだのにまるで悲しいみたい。私は、早苗の反応にかなり驚いた。もちろん明日菜が死んだとなれば黙ってない子がいる。
「やったー!万引き女居なくなったわー、マジ神だし」
「美玲、声大きすぎない?先生に聞こえたらマジめんどくさいじゃん!」
「ごめん~、だって嬉しすぎてヤバイんだもん」
「それなっ!」
賛同する美玲の周りの子達。かなり声が大きかったけど先生には、聞こえてないみたい。クラス内で明日菜の死を悲しむ子は居なかった。皆笑ったり、喜んだりしている。
「てゆうか自殺とかつまんなくない?」
「確かに!結末つまんないよね」
「マジ残念」
「いいオモチャだったのに」
「それは言い過ぎだよ、美玲」
誰が笑いながら言う。
「そんな事言ってあんたもしっかりと遊んでたじゃん」
「まぁ~ね」
周りから笑いが漏れる。いつも通りの教室だ。明日菜の事なんてどうでもいい感じのいつも通りの教室。
予鈴が鳴り、先生が来ると今日はもう家に帰れること知った。多分明日菜の事がまだ整理されていないし、まともに現状を把握してない先生もいるからだろう。私は早苗と帰ることにして早苗に声をかけ、一緒に教室を出た。
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