あなたは呪いの本を信じますか?〜呪いの連鎖劇〜
【早苗side】

由衣に全てを打ち明けた。由衣の顔は、絶望に満ちている。そりゃ、自分の親が友達の親を殺していたら誰でも絶望するだろうけど。泣くなー、泣きたいのはこっちなんだけど。
反抗したね由衣、私の鞄の中ライターあるのに。見せたらどうなるかな。怯んだね。
「謝んないと燃やすよ?いいの?」
うわー、由衣マジで謝ってる。そんだけ自分の命が惜しいんだね。でも、さすがあの女の娘だね。性格までそっくりさんだよ。よく反抗する子だね。
「由衣、ゲームオーバーだよ!」
絶望した顔がもっと酷くなったね、由衣。まぁ、自業自得だよ。反抗しなければ良かったのに。私もう知らないよ。
ライターに火をつける。由衣は、最後の希望というかのように泣きついてくる。なんか叫んでるけど知らないよ。うるさいから少し黙らせよう。
「うるさい!死ね」
あっ!死ねまで言っちゃた。まぁ、いいか。呪いの本に火をつける。呪いの本は、すぐに灰になった。私は、もうすぐこの世からいなくなる友達を微笑みながら見つめる。
由衣の絶望は、悲鳴なのか叫びなのかわからない状態で河原に吐き出された。その声は、ずっと河原にこだましていた。

EMD
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