あなたは呪いの本を信じますか?〜呪いの連鎖劇〜
仕返し
私は家で呪いの本を開く。
「文字の色が濁ってる」
前回みたいに色がはっきり変わっているのではなく色が濁りぎみだった。確かに明日菜はまだ強気だし、言い返していた。だから完全な虐めとは言えない。もしかしたらこの濁りは実行中という意味なのかもしれない。もしそうなら明日、明日菜が美玲達に虐められる。
「美玲、明日何して明日菜の事追い詰めるんだろ?見てて楽しい事してくれたら嬉しいな!」
そんな独り言を言いながら私は本を閉じた。
学校にいつも通りに登校した私は下駄箱の前で立ち止まった。数人の人が明日菜の下駄箱に何かしていたからだ。
「何してるの?」
私が明るく声をかけると驚いたように振り向き、
「なんだ、平野さんか」
「ビックリさせないでよ」
と、安心したような顔を見せる。その反応だと何かバレてはいけないことをしていたに違いないだろう。だからわざと聞く。
「でさ、何してるの?」
「あぁ、これ?平野さんも見る?」
と、言うと明日菜の下駄箱の中を見せてきた。画鋲がシューズの中に山になる位入っている。
「内緒だよ」
「もちろん」
その子に私は、明るく答えた。安心したのかそのまま去って行った。少しすると後ろから
「おっはよー」
と、陽気な声がする。早苗だ。今日はいつも以上に機嫌がいい。謎に思っていると幸太が走って来た。
「幸太走るの遅すぎ!負けたからジュース奢りだよ」
「マジかよ!早苗は足速すぎ」
「じゃ、私由衣と一緒に教室行くから」
「いや、おいてくなよ」
皆いつも通りだ。それに幸太には呪いの本の事を言っていない。幸太に言えば必ず止められることだろう。私からしてそれは好感度が下がるし、もう仲良くしてもらえないかもしれないかもしれないから避けたい。早苗は、私の気持ちを理解してくれているのか幸太に言ってないらしい。
幸太と別れ、早苗と一緒に教室に入る。明日菜はまだ来てない。今日は机の落書きの他にロッカーの前に散乱した教科書などの切れ端。机の周りには破かれた体操服とジャージ。美玲達は相当明日菜が気に入らないのかこのままだと虐めは日に日に酷くなっていきそうだ。
「美玲凄いね、呪いの本に明日菜が虐められるって書いただけなのに」
「ホントにね。私は明日菜にやり返せて満足だけど」
「もう終わるの?」
「終わると思う?しかも全ページ埋めないといけないし今は丁度良いターゲットだから手放したくないから」
「はは、恐ろしいこと」
「まぁねー」
2人で笑っていると、明日菜が教室に入ってきた。美玲達は、知らん顔して話している。明日菜が手は既に絆創膏が何枚か貼ってる。多分、下駄箱の画鋲のせいだろう。明日菜は何となく気付いたのか早足で自分のロッカーに向かった。教科書の切れ端を見て泣きそうな顔になりながら美玲の元に向かって行く。すると、明日菜が美玲の頬をビンタした。パチンッと音がすると同時に明日菜が
「お前らマジサイテー。私お前らなんかと同じ空気吸いたくないから帰るわ。バカが移りそうだし」
と、去ろうとする明日菜に見て美玲が捕まえる。
「はっ、何逃げようとしてんの?」
「逃げようとなんてしてないし。ただ、お前らと一緒にいたくないだけなの。分かる?だから放して」
「ふざけんなよ、クソが」
と言い、明日菜を引っ張る。明日菜も踏ん張る。すると突然美玲が明日菜を放した。明日菜は勢いで床にしりもちをついた。
「ダッサ!」
美玲が言うと周りにいた子達も笑いだした。明日菜は何もいうことなく立ち上がり、埃をはらうそぶりを見せると走って教室を出ていった。それから、明日菜は学校に姿を見せることはなかった。
私は家で呪いの本を開く。
「文字の色が濁ってる」
前回みたいに色がはっきり変わっているのではなく色が濁りぎみだった。確かに明日菜はまだ強気だし、言い返していた。だから完全な虐めとは言えない。もしかしたらこの濁りは実行中という意味なのかもしれない。もしそうなら明日、明日菜が美玲達に虐められる。
「美玲、明日何して明日菜の事追い詰めるんだろ?見てて楽しい事してくれたら嬉しいな!」
そんな独り言を言いながら私は本を閉じた。
学校にいつも通りに登校した私は下駄箱の前で立ち止まった。数人の人が明日菜の下駄箱に何かしていたからだ。
「何してるの?」
私が明るく声をかけると驚いたように振り向き、
「なんだ、平野さんか」
「ビックリさせないでよ」
と、安心したような顔を見せる。その反応だと何かバレてはいけないことをしていたに違いないだろう。だからわざと聞く。
「でさ、何してるの?」
「あぁ、これ?平野さんも見る?」
と、言うと明日菜の下駄箱の中を見せてきた。画鋲がシューズの中に山になる位入っている。
「内緒だよ」
「もちろん」
その子に私は、明るく答えた。安心したのかそのまま去って行った。少しすると後ろから
「おっはよー」
と、陽気な声がする。早苗だ。今日はいつも以上に機嫌がいい。謎に思っていると幸太が走って来た。
「幸太走るの遅すぎ!負けたからジュース奢りだよ」
「マジかよ!早苗は足速すぎ」
「じゃ、私由衣と一緒に教室行くから」
「いや、おいてくなよ」
皆いつも通りだ。それに幸太には呪いの本の事を言っていない。幸太に言えば必ず止められることだろう。私からしてそれは好感度が下がるし、もう仲良くしてもらえないかもしれないかもしれないから避けたい。早苗は、私の気持ちを理解してくれているのか幸太に言ってないらしい。
幸太と別れ、早苗と一緒に教室に入る。明日菜はまだ来てない。今日は机の落書きの他にロッカーの前に散乱した教科書などの切れ端。机の周りには破かれた体操服とジャージ。美玲達は相当明日菜が気に入らないのかこのままだと虐めは日に日に酷くなっていきそうだ。
「美玲凄いね、呪いの本に明日菜が虐められるって書いただけなのに」
「ホントにね。私は明日菜にやり返せて満足だけど」
「もう終わるの?」
「終わると思う?しかも全ページ埋めないといけないし今は丁度良いターゲットだから手放したくないから」
「はは、恐ろしいこと」
「まぁねー」
2人で笑っていると、明日菜が教室に入ってきた。美玲達は、知らん顔して話している。明日菜が手は既に絆創膏が何枚か貼ってる。多分、下駄箱の画鋲のせいだろう。明日菜は何となく気付いたのか早足で自分のロッカーに向かった。教科書の切れ端を見て泣きそうな顔になりながら美玲の元に向かって行く。すると、明日菜が美玲の頬をビンタした。パチンッと音がすると同時に明日菜が
「お前らマジサイテー。私お前らなんかと同じ空気吸いたくないから帰るわ。バカが移りそうだし」
と、去ろうとする明日菜に見て美玲が捕まえる。
「はっ、何逃げようとしてんの?」
「逃げようとなんてしてないし。ただ、お前らと一緒にいたくないだけなの。分かる?だから放して」
「ふざけんなよ、クソが」
と言い、明日菜を引っ張る。明日菜も踏ん張る。すると突然美玲が明日菜を放した。明日菜は勢いで床にしりもちをついた。
「ダッサ!」
美玲が言うと周りにいた子達も笑いだした。明日菜は何もいうことなく立ち上がり、埃をはらうそぶりを見せると走って教室を出ていった。それから、明日菜は学校に姿を見せることはなかった。