あなたは呪いの本を信じますか?〜呪いの連鎖劇〜
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その日の夜。私は早苗に連絡をした。
【明日菜、明日来るかな?】
【分かんない】
【ターゲットがいなくなるかもだね】
【ホントにね、つまんない】
【ねぇ、明日菜が来なかったら今度は周りを呪わない?】
【周りって?】
【ほら、明日菜の親とかそこら辺の人達】
【確かにそれありかも】
【じゃあ、明日呪いの本持ってくね!】
【了解】
メールを終えると私は呪いの本を鞄にしまった。
次の日、明日菜は学校に来なかった。先生が言うにはしばらく学校を休むそうだ。つまらない。明日菜が来なければターゲットがいなくて学校生活に面白みがない。私は昼休みに早苗と呪いの本を書くことにした。
「なに書く?」
「確か明日菜って一人っ子だよね」
「そんなんだ」
「うん、だから呪うならやっぱり明日菜の両親だよね」
「なら、どうする?」
早苗が頭を抱える。
「あっ!事故とか犯罪に見せかけるのは?」
「でも内容は?」
「明日菜が疑わない位だから事故死とかは?」
「偶然の?」
「そうそう、必然的なんて分からないでしょ」
「そうかもね、そうしようか」
「うん、本に書いとこ」
私は鞄からペンと呪いの本を出して書いていった。
《松村明日菜の両親が偶然の事故で死亡する》
書き終えた頃、予鈴が鳴り本を閉じた私と早苗は教室に帰って行った。
そのあとはこれと言った問題もなく学校が終了した。私達は幸太と合流し学校を出た。
「そいやあ、幸太ジュース」
「えっ?」
「えっ?じゃないでしょ!朝の分」
「あれ本気だったのかよ」
「当然でしょ!ちょうど自販機そこにあるし奢って」
「ハイハイ、分かったよ。何が良い?」
「炭酸かな」
幸太が嫌そうな顔をしながら財布を出して、小銭を自販機に入れる。炭酸を選ぶと早苗が嬉しそうに駆け寄っていく。
「幸太、ありがとー!」
「へいへい」
幸太は諦めたような顔をしている。そのあと少し雑談して幸太と別れ、私達も帰ることにした。2人での話題は、呪いの本になった。
「そういえば、本は私が書いた文字なんだけど、、終わったら文字の色が変わってるんだよね」
「そうなの?見せてよ」
「うん、ほら!」
ページを開いて見せると目を輝かせた。
「凄い、これで実行されたか分かるんだね!」
「そう、スゴイよね!」
「ちょっと貸して」
早苗が言うから貸すと今日書いたページを開いた。
「まだ変わってないね」
「なにも起きてないんだね」
「そうみたい」
「つまんないの」
そういうと早苗は本を閉じた。
早苗と別れて家に着くと本を出すと今日のページを開く。
「あっ、色変わってる!」
ということは明日菜の親が事故にあったという事だ。
「早苗に伝えなきゃ!」
そう独り言を言うと自分の部屋に走って行った。
【文字の色、変わった!】
【マジ?】
【うん、今写メ送る】
【おー、スゲー!マジじゃん】
【ヤバいね】
【大丈夫、誰も私達のせいだって気づかないから】
【だよね!】
【じゃあ、宿題するから。バイバイ】
【了解、ガンバ】
私はもう一度呪いの本を見る。何度見ても結果は同じ。文字の色が変わっていることにかわりはない。でも、見れば見るほど私の気持ちは面白いという方向になっていった。
「明日はどうなるかな~」
私は期待に胸を踊らせる。明日に期待して。
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