禁断のお茶会
このお茶会を通じて、エリーゼたちは少しずつ仲良くなっていった。仲良くなった人が傷ついているのを見て、何も感じないわけではない。

シャーロットは特に暴力を決して許さない人だ。怒っているのが誰が見てもわかる。

ルナは酔っ払った客に殴られたらしい。

ベルが暗い顔をした。

「私は、お父さんとお母さんが憎い。私を騙して捨てた!」

ずっと泣いていたルナが、顔を上げ怒りを見せた。

すると、ベルも口を開く。

「私も父が憎い。酒に溺れて、私に暴力を振るう。……もう、耐えられないの」

ルナやベルの告白に、お茶会の温かな空気が一気に変わっていく。お茶会は憎い相手の話へと変わっていった。

「あたしは夫が憎い。浮気ばかりして、家にろくに帰って来やしない!借金ばかり作りやがって!!」

ドン、とテーブルにシャーロットが拳を叩きつける。振動でカップがカタカタと音を立てた。

「私は兄妹が憎いんです。仕事を私一人に押し付けて、ふらふら遊び回って……。どうして私だけが……」

イザベラが目に涙を浮かべながら言った。
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