禁断のお茶会
公爵はエリーゼに猛アプローチをした。エリーゼが食べたことのないような高級料理店に連れて行ったり、装飾品やドレスを贈ったり、舞踏会へ招待をしたりもした。

しかし、エリーゼは公爵を好きにはなれなかった。

すると公爵は、エリーゼの親を説得し始めた。仕立て屋を援助するから娘をくれないか、そう何度も親に言った。

仕立て屋はあまり儲かっているとは言えなかった。むしろ少し生活は苦しかった。

親は援助をしてもらえることを知ると、あっさりエリーゼと結婚することを承諾した。

「この店のためだと思ってくれ!」

「何不自由ない生活が送れるのよ!」

嫌がるエリーゼに両親は何度も言い聞かせ、エリーゼは公爵と結婚することになったのだ。

結婚の日が近づくにつれ、エリーゼの気持ちは重くなる。どこか遠くに逃げ出したいが、それは叶わない。

村人たちは、エリーゼに最近はいつも以上に声をかけてくれている。みんなが祝福してくれていると思うと、逃げ出すことができない。
< 4 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop