禁断のお茶会
招かれた六人の客
夜になると、ようやく村は静寂を思い出す。

皆、夢の中へと落ちていき村は賑やかだったのが嘘のようだ。

いつもは美しい月が夜空に輝くが、今夜は新月。夜の闇が深くなる。

エリーゼはネグリジェから着替えると、ランタンを手に家をこっそり抜け出した。

死の森は村の外れにある。誰かに見つからないよう慎重にエリーゼは普段村人で行き交う道を歩いた。

森に近づくにつれて、興奮が高まる。

魔女とはどんな人物なのだろうか?エリーゼは想像を膨らませた。

昔話でよく聞くおばあさんの姿なのだろうか?それとも、女神のように美しい若い姿なのだろうか?

カエルやネズミに魔女は人間を変えるのだろうか?そうなればいい、とエリーゼは思った。

結婚をするくらいなら、カエルやネズミとして生きていくのも悪くないとエリーゼは思っていた。自由を奪われ、籠の中で一生生きなければならないのなら、自然の中で自由に生きていたい…。

そう思うと、足が自然と早くなる。
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