禁断のお茶会
死の森の前にエリーゼはつき、立ち止まる。昼間でもこの森のシルエットは黒い。それが夜になれば普通なら恐怖でしかない。

真っ黒なシルエットが風に揺られ、轟音を立てる。まるで入ってくるなと警告をしているかのようだ。落雷や地響きのような恐ろしい音が、遠くから聞こえた気がした。

エリーゼが辺りを見渡すと、赤い血のような色をした看板が立っていた。昼間は見たことがない看板だ。

エリーゼはゆっくりと近づく。そこには黒い文字で「お茶会への道」と矢印が書かれていた。

矢印の方向へ進むと、また同じ看板が置かれていて、矢印で道を示している。

黒く不気味な森に、エリーゼは入ったことなどない。しかし、矢印のおかげで迷うことなく進むことができた。

森の中は風の音とエリーゼが地面を歩く音しか聞こえず、生き物の気配が全くない。

死の森と呼ばれているのは、こういうことからも来ているのかもしれない、とエリーゼは思った。

しばらく歩くと、木々が全くない場所に出た。ドーナツの穴のように、木々がない。草も綺麗に刈り取られている。
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