森の妖精と団長さん




「あー懐かしい…」


澄んだ空気と太陽の光に照らされキラキラ光る木々の葉。

扉を開ければそのまま残っていた。



私はセアだけに言ってここに来た。
ここに来れば気持ちがリセットされる。

ここを飛び出して過ごした生活はきっと私の心の中で残り続ける。
私にはここが、この小屋が一番合ってるんだと改めて感じた日々でもあった。



「お父さん、お母さん……私、逃げてきちゃった。…何もできなかった、迷惑ばかりかけて、怪我まで負わせて…。」


あの日のままのドレス
セアが着替えを用意してくれたけど、着替えられなかった。

所々についた血、くるぶしが隠れる長さあった裾が今は膝までしかなく、裾はまばらに裂けている。



「…私ね、こんな感情初めてなの…。胸がいっぱいになって頭の中も埋め尽くされる……あの人には、たくさんの人を魅了する、不思議な力がある。これからも…きっと、この国にとってなくてはならない人なの…!だから、あの人を助けてあげて!お願い!!」


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