森の妖精と団長さん
「うわぁ…」
目の前には大きくて綺麗なお城が建っており、その壮大さに言葉を失う。
「エマ様、私たちと一緒に来てください。」
シエルさんに言われ、楽しそうにおいでおいでとしてくれているウィルのところに慌てて行く。
中に入れば、もう見たことのない風景が広がっており私はすごいところに来てしまったと気づく。
森ではほとんど自然光で育った私には、このお城のライトの明るさ、そして内装の煌びやかさに目が慣れない。
キョロキョロと落ち着かないまま、しばらく歩いていると、一段と広い部屋に入り、ウィルたちに促されるまま膝をつき俯く。
「王、ただいま戻りました。」
シエルさんの言葉に一瞬ん?と思ったが、聞き間違いかと考える。