森の妖精と団長さん



「負傷した者がいると聞いたが大丈夫なのか。」

「その件なのですが、我々を治療してくれた方が完治するまでここに滞在したいとのことで、可能でしょうか?」


「ほう…そこにいる女性かな?」


ビクッ!として恐る恐る顔を上げれば、優しそうなおじさんが座っていた。

「はい。彼女、エマ様は突然押しかけた我々を治療してくださり完治するまで治療をしたいと言ってくださいました。」


「ほう。エマ、といったか…、君は治療ができるのか。」

「は、はい!」



なら、いいぞ。とあっさり許可が下りた。


よく分からない雰囲気と重圧感のある空気に押しつぶされそうになりながらもなんとか耐え、お礼を言い、深々と頭を下げる。



私の聞き間違いではなければ、この国の王様に。





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