森の妖精と団長さん





「あいつらは何してる。」


おそらく休憩中の団員が訓練場の外で女を囲んで剣を教えてる。


「すっかり溶け込んだようですね。彼女が薬師のエマ様です。彼らもエマ様がいることでやる気に繋がっているみたいですよ。」


エマ…あの女の名前か。

町娘が着てるよるなワンピース
胸のあたりまであるダークブラウンの髪の毛を揺らしながら刃のついてない剣を握り、素振りをしている。



隣で手本を見せる団員の見よう見まねで剣を振るその姿は真剣そのものだ。




「おーいエマー!!薬草取りに行くぞ!」

「あ!エリック!!ごめんなさい今行きます!私行かなきゃ!教えてくれてありがとうございました!」



名残惜しそうに団員たちが見送り、女は真っ白な肌を太陽の下に晒しながらこっちに向かってくる。


「あ!!シエルさん!お疲れ様です!!」

「エマ様楽しそうですね。」

「はい!エリックやウィルたちに色々教えてもらってます!」


止まりもせずにシエルと話し、そのまま走って通り過ぎる女



「ふふ。どう?ルカ。彼女を正式に薬師として雇ってもいいと思わない?」


「はあ…知らん、勝手にしろ。俺には関係ないからな。お前から報告しておけよ。」

「承知しました。」



シエルも団員たちもあの女の何をそんなに気に入っているのか、俺には分からない。


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