森の妖精と団長さん



「ここじゃ」


しばらく歩き、エリックが立ち止まった場所は、使用人たちも周辺にいない人気のないところだった。


「わしだ。開けるぞ。」


ノックもせず、返事も待たず、勝手に入って行くエリックに驚きつつ私もひっそりと部屋に入らせてもらう。




「うわー…私この部屋好きかも。」


今まで歩いて来た王宮内の煌びやかさがなく、シンプルでシックな部屋

煌びやかさが格段に減ったからか、どこか落ち着く空間で、家具も1つ1つがおしゃれだ。


「おう、元気にやっておるな。」


「勝手に入ってくんじゃねーよ。ノックしろと何度言ったら分かる。…それに女まで連れて来やがって。」


ギクッとなる。

間違いなく私のことだろう。
部屋に見惚れてて、肝心なところを忘れていた。

エリックに隠れながら目の前の大きな机に座っている人を伺う。


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