森の妖精と団長さん



「これはアールグレイじゃ。エマあいつの分も淹れてくれ。」


まだ頭の中が困惑してるけど、エリックに教えてもらいながら良い匂いのお茶を3人分淹れる。






「今度のパーティーは盛大にするそうじゃな。」


「ああ。王子の花嫁探しも兼ねてるからな。」


「お前さんも色々大変だのー。」


私、ここにいていいのかな…。

せめて、エリックと団長さんの会話を邪魔しないよう、食器の音を立てないように細心の注意を払いながらお茶を飲み、エリックが棚から出したお菓子を静かに食べる。



「エマよ、そんなに緊張せんでいいぞ?ルカも優しくせんか。」

いきなりそんなことを言われて眉を寄せる団長さんとなんか申し訳なくなる私



「エマ、ルカと顔見知りになっておれば、王宮内で何かあってもこやつを頼れば大丈夫じゃ。」


団長さんだもんね…

ちらっと視線を送れば、バッチリ目が合う。
綺麗なブルーの瞳に惹きつけられて目が離せなくなる。


しばらくそのままでいると、団長さんが口を開いた。



「…ガキの世話はシエルで十分だ。」

「ガキ…、」

カチンときたが、こんなことで怒ってはだめだと怒りを抑える。
こんなムカつく人でも位の高い、偉い人だ。


そんな私を見ながら薄ら笑いしてる姿にもさらにムカついた。


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