森の妖精と団長さん




「え!?何か酷いこと言っちゃったかな…?」

思わず涙が溢れる私に王子が慌ててハンカチを渡してくれる。


「い、いえ!私が勝手に…「そこで何してる。」


突然響いた低い声に声も涙も止まった。


私と王子に近づいてくる人影は見知った人だった。



「あれ、ルカ?こんなとこでどうしたの?」

「どうしたじゃありません。パーティーの主役の貴方がいないと客たちが騒いでいたので探しに来たんです。」


「そっか、じゃあ行かなきゃなー。エマ、僕は行くけど大丈夫?」


「は、はい!いきなりすみませんでした!!王子に会えて良かったです!」


「やだなぁー。コウって呼んでよ!また会おうね、エマ。」



笑顔で手を振ってくれるコウ王子に私も嬉しくて手を振り返す。


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