森の妖精と団長さん
森に1人でずっといたから自分のことを褒めてくれる人なんているはずもない。
エリックの言葉がお世辞だとしても私にとっては宝物のような言葉だ。
花嫁候補の方たちが王宮に来て2日目
いつも通りに訓練場に行こうとしたら、綺麗に着飾った女性たちがいた。
その光景は次の日も、また次の日も続き、
私は治療室から外に出なくなった。
外を見れば楽しそうに話してる騎士団のみんなと5、6人の女性たち。
あれだけ大変になるーとか言ってた割には楽しそうにしてるじゃん。
寂しいのは私だけか…
なんて考えながら1人でお茶でも飲もうと思った時
コンコン
「エマ様、お久しぶりでございます。」
「シエルさん!!」
ここ最近会っていなかったシエルさん
「どうしたんですか?」
「いえ、今日はエリックがいないと聞いていたもので。1人では寂しいでしょう。どうです?外でお茶でも飲みませんか?」
「…嬉しいです!ぜひ!一緒に飲ませてください!!」
シエルさんの気遣いに救われ、今日は寂しさを感じなくて済むかなと心が軽くなる。