森の妖精と団長さん
「リリー様。何故こちらに?」
「何故ってルカを探していたの!私の護衛にはルカを指名したはずよ!」
「申し訳ありません。ルカは立場上とても忙しいので…。」
「私はあなたたちが護衛する王家の花嫁候補なのよ!?私がルカだと言ったらルカなの!」
しんっと静まり、なんとも言えない微妙な雰囲気が漂い居心地が悪くなる。
それにこの人はウィルたちが言っていた有力候補の1人だ。
「それに、こんなところでチンケな女とお茶してる時間があるなら私とお茶しなさい!」
「チンケ…」
「エマ様、すみません。大丈夫ですか…。」
チンケという言葉にグサッとなりながらもなんとか耐え笑顔を見せる。
「俺は護衛などしてる暇はないので。リリー様も俺じゃなくて王子と親交を深めてください。」
「ふん!言われなくてもそのつもりよ!でもね?ルカ、これだけは言っておくわ。私は結婚するのならルカでもよろしくてよ?」
妖艶な笑みでそう言い、私を一瞥した後、メイドさんたちを引き連れて帰っていった。