森の妖精と団長さん
そんなことを思いながら呑気に立っていると、
グサッ!!
「!!いっ……」
「エマ様!?」
「あそこだ!追え!!」
声も出ない程突然のことだった。
徐々に脇腹に痛みを感じ視線を落とすと、そこには矢が刺さっていた。
「エマちゃん!?大丈夫!?気をしっかり持って!!」
王子が私の側に来て心配してくれてる。
みんなに心配かけたくない…
突然のことに頭が回らないながらも、そんな気持ちになり必死に笑顔を取り繕う。
しかし、初めて味わう痛みに耐えきれる訳もなく地面に向かって崩れ落ちる私を、
前に感じたことのある、力強く暖かい体の感触を最後に私は意識を飛ばした。