森の妖精と団長さん
2




「エリック、エマちゃんの容態は…」


「うむ、どうやら矢の先に毒が少々塗られておったようじゃ。」


「毒だと?」

「その毒が原因で高熱が続くと思う。しばらくは安静に寝かせておいてくれ。」


「弓を引いた奴は途中で見失ったと報告がありました。狙いが王子で偶然エマ様に刺さってしまったのか…。」


「念のためエマちゃんには誰かついておいた方がいいな。…ルカ、お前がするだろう?」


「…ああ。このまま俺の部屋で寝させる。」


「!!うん、分かった。エマちゃんはルカに任せて犯人の特定は俺とシエルが指揮をとるから。ちゃんとそばにいてあげなよ。」




言われなくてもそのつもりだ。
もともと白かった肌だが、更に青ざめ、ぐったりとしている。



自然と手に力が入る。




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