森の妖精と団長さん
ふわっと徐々に浮いていく感覚があり、自然と目が開く。
………
もう一度目を閉じてゆっくり開いてみる。
「ここは…」
天井には見たことのないおしゃれなランプ
壁にはたくさんの本が棚にぎっしり並んでいる。
そして何より私のいるここが柔らかくて寝心地がいい。
体を起こしてみると、頭がぐらぐらするけど自分のこの状況が良く分からない。
「えっ!?」
横をみれば誰かの頭がベッドに突っ伏していた。
一瞬恐怖に陥りながらも、この髪の色は見覚えがある。
一度触ってみたかったけど本人には言えるわけがない。
今ならバレない!
寝ている様子の彼を起こさないよう恐る恐る手を伸ばす。
「綺麗…。ふわふわだ。」
癖のない綺麗な髪にしばらく魅了され、
ついでに寝顔見えないかなーと顔を近づけていく。
!!
バッチリ目が合ってしまった。
そのまま体を起こすルカさん
私は怒られる!と思い、手も伸ばしたままに固まってしまう。
「良かった。やっと意識が戻った…。」
突然手を引かれぎゅっと抱きしめらる。
意味がわからないが、やっぱりルカさんの腕の中は安心する。