森の妖精と団長さん




「どこか痛むか?」


「あ、頭が少し…。」


「エリック呼んでくる。まだ寝てろ。」

今まで聞いたことのないルカさんの優しい声に妙にドキドキしてしまう。




言われた通りに大人しくベッドに横になっていると、エリックとシエルさん、さらに王子まで来ていた。




「エマちゃんっ!大丈夫!?」


「王子…?私は大丈夫ですが…、あの、私は何か…?」

自分の状況が全く分からない。
なぜ王子がここに…?



「エマ様は王子と花嫁候補の皆さんとの交流会の最中に何者かに毒が仕込まれた矢を射られたのです。」


毒!?
そういえば脇腹に…

そっと記憶を辿って手を持っていけば、少し痛みを感じたのと同時に包帯が巻かれているのが分かった。



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