森の妖精と団長さん
「エマちゃん、たまには俺のとこにも遊びに来ていいからね。」
「はい!王子!」
「ダメだ。王子は忙しいからそんな時間はない。」
バサッと切り捨てる言い方を王子にしてもいいのだろうかとルカさんと王子を見ていれば、
王子は全く気にする様子もなく、ルカさんに『団長は俺に癒しすら与えてくれないの〜?』なんて絡んでる。
そういえば王子が幼なじみだって言ってたっけ…
ルカさんとシエルさんと王子
いいな…
もちろん私にはそんな人はいない。物心ついた時から1人で、友達と言えるものがあるとすれば本だけだった。
3人を見てれば、口では色々言うけど、心が繋がっているんだろうなと感じる。
「エマよ、ルカに何かされたらわしのところにすぐさま来なさい。わしがお前さんの味方になってやる。」
「エリック…」
私の心を読んだかのように、3人には聞こえないようにこっそり伝えてくれた。
「うん!エリック、また一緒にお茶しようね!!」
「うむ。もちろんじゃ!」
えへへとなんだか親がいたらこんな感じなのかなと嬉しくなった。