森の妖精と団長さん
静かな空間に紙が擦れる音しか聞こえない。
体も順調に回復し、シエルさんの指示でルカさんといなきゃいけなくなってから1週間
徐々に起き上がれるようになり、ルカさんの案内で部屋を出れば見覚えのある部屋に続いてた。
ルカさんに問いかければ、やっぱりルカさんの執務室で、私が寝ていた部屋はルカさんが仕事中に休憩する部屋らしい。
執務室は前にエリックとお茶した時と同じで、やっぱりこの部屋好きだなと思った。
机に向かい見たことないくらいに積まれてる書類の山を片付けていくルカさん
私は少し離れた窓の近くにあるソファーに座り、適当に読んでていいと言われた本棚から読めそうな物を選んだ。
本棚にはこの国の歴史や貿易などの本がほとんどで私には難しい。
ポカポカと日の当たる暖かい場所で読めもしない本を読んでいたら、自然と瞼が重くなるのを感じた。
「ん……」
すぐ横が暖かく感じ、思わずすり寄っていく。
「エマ、起きろ。襲われるぞ。」
!!
バチっと目が覚め、手が自然と耳を押さえる。
「あ…ルカさん。ル、ルカさん!?え、あ、すみません!寝てた上に寄りかかるなんて!」