森の妖精と団長さん



「あら!ごめんなさい!今のは忘れて?」

「…はい。」

「ただ、これだけは言っておくわ。あまり調子に乗らないことね。ただの薬師が、私やルカたちとは位が違うのよ。」


そう言い切り、何も言わない私を見て満足そうにした後、王子のもとに戻った。


「ただの薬師…」


そうだ。私はただの薬師に過ぎない。
それなのに毎日ルカさんと同じ部屋で暇を持て遊び、薬師としての役目を果たしていないのではないか。



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