森の妖精と団長さん






「いたか!?」

「いいえ、部屋の荷物が無くなっていました。」


険悪な雰囲気が漂う執務室



朝、いつもの時間になっても来ない。
シエルにあいつの様子を見てきてくれと頼めば、部屋にはおらず、荷物もない。


昨日の食事会に参加しているあいつを広間で見かけたが、いつのまにか居なくなっており、一応部屋を訪ねればドア越しに返事が返ってきた。


『もう遅いし、疲れたので寝ます!』


勝手に女の部屋に入るわけにもいかず、物音がしなくなったため、寝たのだろうと思いそのまま広間に戻った。



「ルカ、エマさんのことは内々に調べておく。こっちも少し分かってきたんだ。」

黙り込んで眉間にシワを寄せているルカに書類を手渡すシエル




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