森の妖精と団長さん




「うわー!すごい!!すごい!」



食事会の日、部屋に突然訪ねて来たルカさんをなんとか広間に戻ってもらうことに成功し、窓からこっそり抜け出した。

そして、厳重な城の警備をかいくぐり、なんとか裏から外に出れた。



夜中だったので適当なところで野宿をし、賑やかな声を頼りに街を目指して歩いた。





街には大勢の人で溢れ、お店もたくさんあり、眺めているだけでも1日過ごせるほどだった。


しばらくお店を見て歩き、疲れて広場にあるベンチで休憩する。


ひと息つけば思考が落ち着き、思いつきで出てきたはいいけど、これからどうしようか考えていないと気づく。




もといた森に帰ろうにも私は自分がどこの森にいたのかすら知らない。

頼れる人物も王宮にいる人以外にはいない。


途方にくれる私の視界に入ってきたのは、大勢の人で賑わうお店の数々



そうだ、ここで働けばいいんだ。
一軒ぐらいもしかしたら雇ってくれるかもしれない!



そう思って、さっき歩いてきた大通りに戻って雇ってくれそうなお店がないか探す。



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