森の妖精と団長さん



大通りを歩いて分かったことがある。


ここにあるお店は皆キラキラしてて気持ちも高まるから見てる分にはいいけど、自分がそこで働くとなると絶対無理だと思った。

お店の人たちは、おしゃれで綺麗な人たちだけだし着ているものも今私が着てるものとは比べ物にならない。


私には無理があると感じてすぐに大通りからはずれる。




「もっと落ち着いた、穏やかなお店がいいかなー…。」



道がある方ある方に歩き続け、自分がどこにいるか分からなくなった時


「あ!!」


雰囲気のいいパン屋を見つけた。


ドアからこっそり中を覗いてみると
ショーケースの中に美味しそうなパンがずらっと並んでる。


ぐぅ〜


「うっ、…そういえば朝から何も食べてないな…パン食べたい。」


薬師として働いた期間は短かったけど、お給料は貰っていたので少しだけならお金がある。



意を決してパン屋のドアを開ける。




「いらっしゃい!」



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