森の妖精と団長さん
「これは…」
私のベッドに横たわる彼の体にはたくさんの切り傷があった。
その中でも、重症なのが肩にある大きな切り傷
鋭利なものでざっくりと切られており、初めて見る痛々しい姿に私は目を逸らしそうになりながらも布で止血をし、薬草を塗り込んでいく。
切り傷、打撲痕、それに少し熱もある
今まで溜め込んできた知識をフル回転させながら1つ1つ丁寧に治療していく。
「これぐらいしか出来ない…すいません!本当は包帯とか巻いた方がいいんですけど、ここにはなくて…。」
「いえ、ここまでしていただいただけでも充分です。彼の具合を見つつ、しばらく我々もお世話になりますが…。」
「はい!何もありませんけど、いつまでいても大丈夫ですよ!あ、みなさんの傷の手当てもさせてください!」
若干渋っていた他の人たちにも強引に薬草を塗り、しばらくすると彼らは眠りについた。