森の妖精と団長さん
ロイドによって広間の隅に連れて行かれた。
ここには大勢の騎士とルカさんの騎士団が10人ほど。
数は圧倒的にロイドの騎士が多いけど、さすが王宮で仕えている騎士団
1人1人の力が圧倒的だ。
「こりゃだいぶやばいねー。」
そう言う割には楽しそうで全然やばそうな顔をしてないロイドに不信感を持つ。
「何か企んでるの…?」
「……エマは知ってる?この領地が何で有名なのか。」
ニコッと笑うロイドに
「植物…とか、」
「お!なんだ知ってんじゃん!」
だから何、と顔をしかめれば
懐に手を入れてゴソゴソしてる。
「さあ、王宮の薬師さんならこれが何か分かるかな?」
小さい瓶に入った見たことのない色の液体
「何…それ。」
「これはうちの職人たちが何年もの時間をかけて再現したものだよ。」
再現…?
「前の領主が秘密にしてたんだけど、俺が見つけちゃった!!」
なんかやばそうな雰囲気を感じ、へらへら笑うロイドから距離を置こうと少し離れると、
グイっ
「どこに行くの?君は僕の花嫁なんだよ……ああ、さては戦いが怖いんだね。分かったよ、すぐに終わらすさ。」
腰に手を回され、そのまま口づけするように近づいてくる。