森の妖精と団長さん



力任せに剣を弾き、
ロイドがさっき私に見せた液体を剣に垂らす。


「!!ルカさん!ロイドの剣、気をつけて!!」


「さあ、楽しもうじゃないか。王宮騎士団最強の団長さん ♪ 」



ルカさんが私の忠告に耳を傾けているところで突っ込んでいくロイド


2人の激しい攻防戦を手を握りしめながら祈ることしかできない。



その時、床に倒れていた1人の騎士がルカさんの脚を掴んだ。
ルカさんは体制を崩し、ロイドから目を逸らす。



「ルカさん!!!」


剣を構え直したものの振り切ってるロイドの方が早く、そのままルカさんの肩に降ろされた。



!!

ルカさんのもとに駆け出そうとすると止められる。



「ウィル…」

「エマ、団長なら大丈夫だ。見守ってろ。」


涙を流す私の側に所々血の滲んだウィルがいてくれる。




傷を負ったルカさんは勢いが落ちることなく、むしろ更に上がっている。


徐々にロイドが後退していき、ついにロイドの剣を弾き飛ばす。



「あーあ…」


そう言ったロイドを思いっきり蹴り飛ばす。





壁に激突し、気絶したロイドを拘束するルカさんを見て、体が震えていた。


初めて見た命をかけた戦い
ルカさんの団長としてのオーラや強さ
その姿は、圧倒的という言葉がぴったりで、恐怖を感じたと同時に、高貴な雰囲気も感じた。



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