愛の、愛の、愛の嵐
「俺はな、

 近頃のガキが大キライだ。

 ひとりじゃなーんもできないくせに、

 親のスネかじって

 ガッコ行かせてもらってる身分のクセに、

 言うことだきゃあ一人前。

 おまけにマナーもへったくれもねえ。

 シートにぼろぼろ菓子こぼすわ

 座席に土足で足掛けるわ

 制服のまま女連れてラブホ行くわ

 したい放題かっ!」



「お、おちついて(汗」



「だからオネエチャンが乗ってきたときも

 最初はまたおかしなガキが乗ってきやがったと

 うんざりしてたんだ。

 だけど、オネエチャンの話聞いて、

 んーなんつうか、

 若いやつらにも色々いるって当たり前のことを思い出した。

 いいや、俺がいちいちイラついとったやつらだって、

 話してみれば案外

 いいとこもあるかもしれん。

 それも当たり前のことだ。

 考えもしなかったけどな。

 それに俺だって

 若い頃はこれでもけっこう悪さしたもんよ。

 オネエチャンの言葉聞きながら、

 なんかそんなことを考えたのよ」


そう言うと運ちゃんはニカッと笑った。

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