愛の、愛の、愛の嵐
「ありがと、オジサン。
 じゃ、遠慮なくご好意に甘えるね」


「おう、気にすんな。
 実はな、俺にもオネエチャンと
 同じくらいの娘がいんだ」


そう言うと彼はいったん言葉を切り、

また何かを考えるような顔をしたあと、続けた。


「これがまた絵に描いたようなイマドキの娘で。

 勉強はしない、

 スカートはパンツが見えるくらい短い、

 化粧は濃い通り越して特殊メイク、

 男友達とは毎晩夜遅く遊びに出る、

 見かねて注意してもオヤジウゼエヨ。

 普段からめったに口をきかねえ。

 俺の育て方のなにが悪かったのか、

 どうすれば娘は心を開いてくれるのか、

 俺はこんなにも娘のことを想っているのに、

 どうしてあいつはわかってくれないのか。

 日々そう思ってたんだが・・・」

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