愛の、愛の、愛の嵐
「あーほらヤッパこの子じゃん。
 おんなじクラスのやつだよ、ホラ。
 名前なんだっけ、コンダ?」


神経を逆なでる声に振り向くと、

そこにいたのは

そろっていまさらな感じの

パッキンでアタシと同じ制服着たギャル4人。

てか、見覚えある顔。

クラスの悪い娘グループの子達だ。


「ちげーよ、オランダ、とかじゃね?」


あたしの苗字は恩田だよ。

誰だよオランダって。

そんな苗字オランダ人にもいねえよ。


「オメなにやってんのこんなところで。
 ガッコはどうしたよ」


「さぼりくさくね?」


「マジこいつが?」


「やべーよな」


やべーやべーと

一体なにがやばいのか

本人たちにも確実にわかってないだろうけど、

4人で手を叩いて笑ってる。

アタシは無視して

バスの去った後の乗り場に目をやる。

人通りの激しい朝の駅前だというのに、

そこはひどく閑散として見えた。


あと一歩だったのに・・・

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