愛の、愛の、愛の嵐
「オメ、キモいオタクグループにいたよな、
 ガッコさぼってどこ行くんだよ」


「あれじゃね? コミマ?」


「なにそれ」


「なんか、テレビで見たくさいんだけど、
 ドームみたいなとこに
オタクが山盛りんなってんの」


「やべー」


「もうやべーの。
でな、そこで自分らが勝手に作った
 マンガとかアニメの人形とか売ってんの」


「ああそれアタシもみた~。
 なんか全員がコスプレしてんでしょ?
 メイドとか。学生服とか」


「なにそれメイドカフェっつーやつ?」


「なんか新しいジャンルじゃない?
 その格好で本とか読んでるだけなの。
 でたまにお茶こぼすの」


ツッコミどころはいっぱいあるけど無視。

アタシは昆虫よりも馬鹿そうな顔をして

がはがは笑っている4人をほっといて

バス乗り場に急ごうとした。


「オイコラ」


今度は思いっきり髪を引っ張られた。

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