愛の、愛の、愛の嵐
首の関節がグギリと音を立てるくらい

その力は強かった。

心臓がひやりと跳ね上がった。

そのまま髪を後ろに引き摺られ、

視線を向けたアタシに

リーダー格の顔が近づいた。

まばたきする度に

巨大な付けまつげがばさばさと揺れる。

「てめーなにいつまでも
 シカトぶっこいてんだよ。
 マジむかつくんスけど。
 ボコッちゃっていい?」

20万かけて

高須クリニックで改造したと

いつだったか教室で

自慢げに話しているのを聞いた、

益若つばさ風の大きな目に殺意が浮んでいた。


残りの3人は事の顛末を

ニヤニヤと見守っている。
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