愛の、愛の、愛の嵐
・・・わかってないみたいね。

今のアタシはもう

アンタラの知ってるアタシじゃないんだよ。

手ぇ放しなよ。


「ああコラなんか言えよ」


これ以上アタシを怒らすと

容赦しないんだから・・・


「なに下向いてんだよ
 ビビッてんじゃねえよ。
 マジウゼーこいつホント気持ちワリぃな」


その手を放し・・・


 スパンッ! 


頭を叩かれ

また首がゴキリと曲がった。

ちらちらとこちらを見ながら

遠巻きに避けて通る

サラリーマン達の姿が視界に入った。


「なんか言えっつってんの」


アタシは視線を戻し、

目の前でガンを飛ばしている

つばさモドキに言った。


「・・・スミマセン」


「ああっ!? 
 聞こえねーんだけど。
 てかコイツなにあやまってんの? 
 そんな話してた?」


「してねーし」


つばさモドキが仲間達を振り返って

またがばがば笑う。

気がつくとアタシの膝は

ガクガク震えてた。
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