愛の、愛の、愛の嵐
怖い。コワイよ。

アタシは眼前に迫る未知の暴力の臭いに

頭が真っ白になる。


「ホントキモイな。
 テメーらなに考えて生きてんの? 
 オタクはオタクらしく教室の隅っこで
 ブヒブヒ言ってりゃいんだよ。
 色気づいて街でてんじゃねーよ」


悔しい。

悔しいけど怖いよ。

アタシはじっとうつむいたまま。


「死ねばいいのにな、
 もう死んじゃえよテメー
 なにしに生きてんの」


1年のときに彼女たちがイジメてた子は

自宅で首を吊って自殺したらしい。

そのこともコイツラは自慢げに話していた。


「なに震えてんだっつーの。
 ションベンか?」


リアルな恐怖に、

アタシは熱が引いてくように現実を思い出していった。

まったくだ。


根暗でアホでオタクなアタシが、

なに調子づいてたんだろう。
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