愛の、愛の、愛の嵐
モドキが起き上がってくる。

鼻を押さえた指の隙間から

とろとろと大量の血が流れてる。

残りの3人も

ようやく我に帰って色めき立つ。

口々に何か叫んでるけど

今のアタシの耳には入らない。

うん、もう怖くない。

自分が恐ろしいほど集中しているのがわかる。

辺りはシンと静まり、

視界には4人の姿しか映らない。

ケンカなんて初めてだけど、

人殴ったことも殴られたこともないけど、

アタシすごく落ち着いてる。

それはアタシに迷いがないから。

4人を見据えたまま腰を落とし、

軽く拳を握って構える。

イメージは昇竜さまの操る古式太極拳。



 さあ、戦闘開始!
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