愛の、愛の、愛の嵐
「や、やめろコラ殺す気・・・」


あわてた残りの3人が

アタシを引き離そうと掴み掛ってきた。

でも、

それを予測していたアタシの動きの方が

一瞬だけ速かった。

アタシは一番近くにいた

右端の一人に飛び掛り、

そいつの股間をおもいくそ蹴り上げる。


「ぎっ・・・」


あまりの痛みに

そいつは反射的に両手で股間をかばう。

アタシはがら空きになったそいつの顔面に、

腰を回転させて勢いを加えた肘を叩き込む。

またしても飛び散る鮮血。

血で鼻が塞がれば

呼吸も取りにくくなって動きも鈍るはず。

あくまで冷静を努めながら

噴水のように鼻血を噴き出して

エビぞるそいつの背後に回りこみ、

後ろから髪を引っ張ってのけぞらせる。

その背後から残りのふたりを覗き込む。

ここで一度に飛び掛られたらアタシはオシマイ。

でも都合よく相手は立ち止まってくれた。

向こうにしてみれば、

いつもどおり皆で簡単にボコって

拉致れば終了ってはずだったところが

予定外の反撃にあってパニクってんだろう。

おまけにリーダーはいまだ地面でのたうっている。

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