愛の、愛の、愛の嵐
ざわざわと空気が揺れた・・・気がした。

笑ってる。

血と涙でまだらに汚れた顔全体は

ごぼごぼに腫れあがって輪郭が変わっていた。

自慢の大きな二重の目は

どちらも大きく腫れ上がって

紫色に変色し、

唇はチョーさんの軽く5倍は膨れあがっていた。

その顔で、元・つばさモドキは

肩を震わせて低く笑っていた。

背骨が凍りついた。マジで。

今度はアタシが立ち尽くす。

そのアタシの足もとに、

モドキは真っ赤な唾をべっと吐いた。

カランカランと何かが一緒に地面に落ちる。

歯だった。


「やったひゃねえか」


低い低い、

どこまでもじっとりと絡みついてくるような、

そんな声だった。
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