愛の、愛の、愛の嵐
「や、やめてよぉ・・・
 死んじゃうよ・・・」


誰かの弱々しい声で我に帰った。

気がつくと取り巻きの一人が

泣きそうな顔でアタシの腕にすがり付いていた。

モドキの体からは力が抜け、

顔はぐちゃぐちゃでもはや

目鼻の区別もつかず

赤いゼリーの塊のようになってしまっていた。

その頭がぐらりと後ろに倒れる。

思わず掴んだ手を放そうとした。


その手を、モドキがガッと掴んだ。
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