愛の、愛の、愛の嵐
『この凶悪な女子高生は、
 今なお逃走中です。
 近隣にお住まいの方は、
 くれぐれもご注意を』


自宅には

ハイエナのようなマスコミが大勢駆けつけ、

事態が把握できずに

困惑するアタシの両親に

無数のマイクが突きつけられ、

2人はあたかも犯罪者のように糾弾される。

絶え間なく焚かれるフラッシュの中、

母さんは泣き崩れ、

父さんはそれでも毅然とカメラを睨み返し、

はっきりとこう言うの。


「私は、自分の娘を信じています」


それに逆上したマスコミが

口々に罵声を浴びせる。

ああ、おとうさまおかあさま

ゴメンナサイ・・・・・・

ダメだ。

無理にテンション上げようとしたけど失敗。

アタシはぎゅっと目をつむった。

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