愛の、愛の、愛の嵐
でもホント、

恋の女神は乙女に意地悪ね。

その瞬間、時の流れが戻ったの。

ホームに出発のベルが鳴り響き、

彼は顔をゆがめたまま

人ごみにまぎれて電車の中、

あわてたアタシは

なんとか彼に近づこうともがくけど、

人間あわてればあわてるほど

ドツボにはまるもので、

うっかり電車を降りた人たちの

逆流に飲み込まれてしまって


ファック!!!! 


さらにパニクッたアタシは

どきゃーがれてめーらぶっ殺すぞと

血走った目で半ば本気で怒鳴り散らして

モーゼのように人の波を引かせるけど

時すでに遅し。

無常にも目の前で電車の扉は

プシューッ

と閉まり出発シンコーガッタンコ。

アタシはポツン、

ホームに取り残されました。

こうしてアタシの初めての恋は

悲しい最後を迎えたの。



THE END(涙

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