愛の、愛の、愛の嵐
入ってすぐの壁にあったプレートで

出川の階数をチェックし、

エレベーターに乗り込む。

中には誰も乗っていなくて、

目的の階数のボタンを押すと

ゆっくりと扉が閉まり、

静かな四角い箱の中、

微かにGを感じながら、

アタシの鼓動はどんどん速くなる。

やっぱさ、

勤務先にいきなり

制服着た女子高生が尋ねてっちゃまずいかな? 

う~ん良かないよね。

てかやっぱまずいよね。

彼に良からぬウワサたっちゃいそう。

どうしよ。

妹って事にしようか。

ばれるか。

だいたい名前知んないもん。

あれ、どうやってあの人呼び出しゃいいの? 

まずいじゃん。

あ、ちょっとエレベーター止まって、

考えるから。

ストップ。

どうしよ。

ええと、そうだ、

落し物拾ったんで、届けに来たってのは! 

いいじゃん。

自然じゃん。

ナニ拾ったことにしよ。

< 64 / 96 >

この作品をシェア

pagetop